小児看護とは

小児科とは、その名の通り小さな子供を専門とした診療科のことです。
子供は大人と違い免疫力が低く、幼ければ幼いほど病気に対する抵抗力がありません。その為、ちょっとしたケガや病気がきっかけで大きな変化が起きやすく、その症状もとても悪化しやすいといえます。
そんな子どもを専門に看護をする小児看護には、細かい症状や変化まで目を行き届かせる観察力とそれに対するケアが必要とされます。
特に、小さな子供になればなるほど自分ではその症状を上手く伝える事が出来ません。下手をすれば逃げ出してしまい診療さえままならない事もあります。
そんな時、小児看護を扱う看護師は声を荒げる事なく、子供がなぜそうしたいのかという事を考え、なぜこの治療をしなくてはならないのかという事を上手く説明する力が必要です。
そして、子供の不安は自然とその親である大人にも伝わりますから、そちらに対する配慮ができる余裕を持つ事も必要なります。
また、最近の親の中には“注射が可哀相”という理由で予防接種を受けさせないという人もいるのだとか。しかし、先述した通り、大人にとっては蚊に刺されたような症状でも子供にとっては大事に至る事も。
そういった説明をきちんとし、いかに予防接種が大事かというのを説得する事が大切です。時には自分が親だったら…と考え、子供にとって最良の道を選びましょう。(ちなみに、子供に予防接種を受けさせないのは虐待にあたると考えられています)
よく「子供が好きだから」と軽い気持ちで入ってしまう看護師も多いといいます。しかし、こういった事からも、ただ「好き」という気持ちだけでは務まらない仕事であるというのが分かるのではないでしょうか?

さて、そんな小児看護のスペシャリストが小児看護専門看護師です。小児看護専門看護師は、小児看護の中でも特に高度な技術と知識を持つ事が求められ、この分野においてより高度なケアを提供する事が目的とされています。
看護師として仕事をした他に、専門看護師について学ぶ為の大学院へ入学し、さらに小児科にて実務経験を積んだ上で試験に合格しなくてはなることができません。
とても難しく長い道のりではありますが、小児看護は周産部(産婦人科)や救命病棟に続いて人手が足りない科として有名。ハードさゆえの厳しい現状であるからこそ、同じ小児看護を担う看護師にとってはとても頼りがいのある人材になるといえるでしょう。